2013年3月31日日曜日

プロローグ:雑貨屋の香りのする女


小中一緒だった、ませた女友達がいましてさ。
お姉ちゃんが二人いる子だったから、やっぱりどこか大人びていたのですよね。
私は彼女から化粧とか、おめかしの類を学びました。
ヘアトリートメントはあれが良い、とか、アイシャドーはあそこのがカワイイ、とか。

おしゃれ心が目覚めるお年頃。愛読書はセブンティーン。
鈴木えみと榮倉奈々、そして木村カエラが読者モデルだった頃の、セブンティーン。
カナヘイと一人称「ウチ」とアヒル口が流行っていた2000年代初期。
中学生の私は、少ないお小遣いを握りしめ、
マジョリカマジョルカとマシェリを買いに、ドラッグストアへと走ったものです。

ある日、PARCOがあるという理由で地元では大都会とされていた某街へ
その友達と一緒に買い物に行った日がありました。中学生の時。
「今日は香水買おうと思ってるんだ」
彼女は言いました。

そうして、前々から目星をつけていたと手に取った香水は
うろ覚えだけれど、確かD&Gのライトブルーだったように思います。
翌週学校で、「さっそく付けてみた。あんまりばれないように、ちょっとだけだけど」と
上品に微笑んだ彼女は、23歳になった今、ますます美しくなっています。



(使い切ったCK be。結婚式でいただいた花で彩りを添えるという猪口才なことをした図)
(奥に見え隠れするのは伯父のお下がりDiorのDune Pour Homme。ほとんど使っていない)


思えば彼女から受けた影響はすごかった。
姉のいない私にとって、身近なおしゃれのお手本は、ライトブルーの彼女でした。
で、私も香水ってものを初めて手に入れました。確か中学3年くらい。
伯父が出張で行くという、台湾かどこかでは香水が安く買えるから
何か欲しい香水あったら買っておくよ、と言ってくれたものだから、
いろんな香水を嗅ぎまくって、決めたのがCK be。

今聞くと、ザ・メンズ香水なのですね、CK beさん。
ヨン様が使ってるだとか、EXILEの誰かが愛用だとか、
なんと男前な逸品を選んだのでしょう、15才のあたくし。
でも、そういう世間体に擦れていない純粋無垢な15才の感性が選んだのだから
素直な選択だったのだと思います。長いことこれ一本でした。

もしかしたらこれまでずっと、
「おっさんの香りするなこいつ」と思われていたかもしれないと思うと
私の中の15才の乙女心がしゅんとしてしまうわけですが。


そんなCK beも、最近使い切ったので、気分転換に何か他のフレグランス的なものを、
と思って買ったのが、なにかしらのオードトワレ。雑貨屋に売ってたもの。
ブランドはよくわからんけど、フランスのものらしい。
オードトワレなので、香水よりもほのかに楽しむものだと思います。

かくして手に入れたオードトワレは、CK beとはうってかわって、
なかなか女性らしいかほりでございますわよ。
もうおっさんの香りとは言わせないわよ。(被害妄想)

でもそのうち、あのこっくりとしたCK beの香りも恋しくなってしまうんだろうな。
とりあえず、しばらくは雑貨屋の香りのする女として生きていきます。
はあ、我ながらちょー痛々しいです。あいたたた。



かしこ